【映画】百円の恋 (監督:武 正晴)

 

主人公はでもでも私なんか系女子、

だった。

 

「私は、勤め先の百円コンビニに並んでいる商品と同じような軽い存在なんです。」とかでもいいそうな底なしの自信のなさを一子(主人公)から感じる。

そうはいっても、自分を全否定できるほど自尊心がないわけでもない。

今すぐにでも纏めあげたいほどごわついた長い髪、

クッションのような丸みを帯びたお腹周り、

出戻りの妹との喧嘩をきっかけに一人暮らしを始めた一子は変わり始めた。

 

一子は、痛みから逃げなくなった。

痛みに向かっていくようになった。

ボクシングを始めた。

男にしがみつくことも、

自分なんかと卑下することも、なくなった。

 

それでも、やっぱり痛かった。

髪もお腹周りも すっきりしたのに、

軽々と動けるようになったのに、

やっぱり殴られると痛かった。

 

「やっぱり私は弱い」

そう言える人間が一番勁い。