【映画】何者 (監督・脚本:三浦大輔)
「 嫌な映画を見てしまった。」
映画「何者」を見た後しばらくの間、
何度もそう思った。
就職活動をする学生たちの葛藤を描いた映画。
いい映画ではなく、よくできている映画と言いたくなるほど、
リアルな描写だった。
学生はそれぞれ理想を持っていた。
理想があり、それに近づこうとしていた。
でもその理想を実現するには、現実と向き合うことから始めることが求められる。
現実はあまりにも理想とかけ離れていて、
目を背けたくなるほど、痛々しい。
だから、つい、理想ばかりに目を向けてしまう。
でも、それでは何者にもなれない。
痛々しくても、現実と向き合うことでしか、
理想を実現する道はないと登場人物が気づき映画は終わる。
理想が高い人ほど、現実と向き合うことは辛いことだと思う。
理想が高い人は、最後の最後まで理想ばかり追い求めてしまうのかもしれない。
でも、それほどの理想を持つヒトが現実と向き合えば、
もっとも理想に近付けるヒトになれると思えるような希望を感じた。
映画「何者」の話ではないが、
「アーティスト症候群---アートと職人、クリエイターと芸能人 」という
これもまた"嫌"な本がある。
アーティスト症候群---アートと職人、クリエイターと芸能人 (河出文庫)
- 作者: 大野左紀子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2011/07/05
- メディア: 文庫
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"アーティスト"になりたい人にはぜひ読んでほしい本だ。
この本を最後まで読めるヒトが、
もっともアーティストに、理想に、近いヒトだと思う。
理想には怪我をしながらでも、自分の足で近づいていくしかない。
それをやり抜いた前"アーティスト"の言葉が詰まった本だ。
理想を持つことは、痛々しい自分と向き合うこと。
それでも、やはり、理想は持ちたいと思う。