【展示会】坂本龍一  設置音楽展

 

2017年4月4日(火)から5月28日(日)までワタリウム美術館で開催している

坂本龍一 設置音楽展 ryuichi sakamoto async」に行ってきた。

 

生活音を使った音楽、

という言葉に惹かれ気になっていたこの展示。

この展示で使われている音楽は「async」というアルバムに収録されている。

実際に展示会に行き、受けた音楽の印象は

生活というよりもむしろ、人生、だった。

 

展示は2階から4階にかけて行われている。

美術館の2階から3階そして4階と上がるたびに、

ライフステージも変わっているように感じた。

 

 

------------------------------------------------------------

 

2階、

一人の人間が抱く様々な感情、

それと、その感情を引き起こした出来事。

二つの軸は並行していて、時折入れ替わりながら話が進んでいく。

リアルで生々しいのに、その様子を冷静に見ている自分がいる。

 

3階、

人がいない部屋は人がいる部屋よりも人を感じさせる。

終わりがないように感じていた生活を

その生活に終わりがあることを知った自分が見ている。

「ああ、あの時はよかった」とか、

様々な出来事を思い出すなどはなく、ただ見ている。

 

4階、

そしてまた、新しい物語へ向けて準備が始まる。

光がだんだん大きくなり、着地する場所を見つける。

それから先の記憶はきっとない。

 

 ------------------------------------------------------------

 

あくまでも個人的な意見だが、

「状態」に溺れる音楽だと思った。

それと、宗教的な音楽だと感じた。

具体的な宗教ではなく、

むしろ様々な宗教を包括できる大きな意味での宗教。

 

私は音楽のことをよく知らない。

それでも、ただこんな素敵な音楽を作れる人間がいることに驚く。