【映画】今度は愛妻家

 

 

 

妻の存在を当たり前に思いやりたい放題やっていた夫。

その夫が突然妻を失い、妻の存在の大きさに気付かされるというストーリー。


今度は愛妻家 予告編

 

妻が亡くなった後にその大切さに気付いた夫、

なくなって初めて夫が自分のことを大切に思っていたことを知った妻。

この映画は二人の行き場のない思いをそっと撫で下ろす物語だった。

2つの行き場のない感情が漂うシーン。

主人公ふたりの気持ちには言葉では寄り添えず、

感情でしか寄り添う方法はないように思った。

 

 

失うべきものを失うことは、受け入れられる。

失う必要がないもの、失うべきでなかったものを失うことは受け入れ難い。

 

 

 

【習い事】油絵第1作目、完成しました。

 

油絵、第1作目が完成しました。

 

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どこまでで完成とするのか迷いましたが、

第1作目はここで完了としました。

最後の仕上げでガラスの重厚感をアップさせることができ、

その点は満足しております。

 

 

次に描くものは何にしようか考えているのですが、

あまり描きたいものがないことに気づきました。

描く作業が好きなだけで、

描くものにあまり興味がないのかもしれません。

 

写真を撮る過程に興味がある、

出来上がった写真にあまり興味がないと言っていた友人の言葉を思い出しました。

 

絵を描くこと、写真を撮ることは、

自分の輪郭を確かめる作業であると私は思います。

自分が目にしているもの、被写体の輪郭をなぞり直すと自分の癖が見えて来る、

そんな気がしています。

 

ずっと何かを描きたいというモチベージョンが自分にはあるのかと思っていたのですが、どうやら少し違うみたい。

 

やって見ないとわからないものですね。

 

【映画】あん(監督・脚本:河瀬直美)

 

 

竹籠の網目とすり合う小豆、

ぐつぐつぐつと静かにひたすらに煮立つ小豆、

主人公に手一杯掬い上げられた水飴

 

いつだって食べ物の映像は、

じんわりと幸せを伝えてくる。

それ以上でもそれ以下でもない深い幸せを感じる。

映画「あん」には誰にも奪うことのできない幸せが描かれている。

 

まだ若くて「幸せ」を奪われたばかりの主人公に、

奪われない幸せについて、餡を通してお婆さんはそっと伝える。

ハンセン病患者として若い頃からずっと「幸せ」を奪われ続けていたお婆さんの

幸せは、誰の手にも掛けられないほど高くて、掴もうとしてもつかめない。

むしろそれを掴むことは意味のないこと。

それは特別なものではなくすべての人の隣に、そこにいつでもあるものだから。

 

そこにあることに気がつくことができれば、

もう誰にも幸せを奪われることはない。

そう勇気付けられる映画だった。

 

掴むから、手放すのが怖くなる。

そこにあることを感じられれば、消えてなくなることはない。

 

【習い事】初めての絵画教室(第三・四回目) & 油絵の道具、揃えました

 

油絵の体験教室、全4回を修了。

第3回目は前回と同様に白黒で明暗を書き入れ、

第4回目は白黒の絵に色を足していきました。

自分が納得できる仕上がりまで全4回で持っていくのは難しかったけれども、

一応らしいものは完成。

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中学校以来、筆を持って絵を書いたことが一度もなかった私ですが、

この程度の絵は描くことができました。

先生にも手を入れて貰い、随分らしくなりました。

 

 

油絵教室、通うことにしました。

 

 

新宿の世界堂に行き道具を揃えました。

初心者用のセットになっているものもあり、

バラで買うよりやはりお買い得だと思います。

(私はバラで買ってしまいました)

 

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木箱が多いですが、木箱が高かったのとこのケースの中が小分けになっている点がよくこれにしました。

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こんな感じで絵の具や筆、ペーパーパレット、油等々入っています。

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追記:

描きたいものを集めるために、写真を撮り貯めようと思っています。

自分が何を見ているのか、何を描きたいのか、少しはヒントをくれそうな気がします。

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【映画】何者  (監督・脚本:三浦大輔)

 

「 嫌な映画を見てしまった。」

 

映画「何者」を見た後しばらくの間、

何度もそう思った。

就職活動をする学生たちの葛藤を描いた映画。

いい映画ではなく、よくできている映画と言いたくなるほど、

リアルな描写だった。

 

学生はそれぞれ理想を持っていた。

理想があり、それに近づこうとしていた。

でもその理想を実現するには、現実と向き合うことから始めることが求められる。

現実はあまりにも理想とかけ離れていて、

目を背けたくなるほど、痛々しい。

だから、つい、理想ばかりに目を向けてしまう。

でも、それでは何者にもなれない。

痛々しくても、現実と向き合うことでしか、

理想を実現する道はないと登場人物が気づき映画は終わる。

 

理想が高い人ほど、現実と向き合うことは辛いことだと思う。

理想が高い人は、最後の最後まで理想ばかり追い求めてしまうのかもしれない。

でも、それほどの理想を持つヒトが現実と向き合えば、

もっとも理想に近付けるヒトになれると思えるような希望を感じた。

 

映画「何者」の話ではないが、

アーティスト症候群---アートと職人、クリエイターと芸能人 」という

これもまた"嫌"な本がある。

アーティスト症候群---アートと職人、クリエイターと芸能人 (河出文庫)
 

"アーティスト"になりたい人にはぜひ読んでほしい本だ。

この本を最後まで読めるヒトが、

もっともアーティストに、理想に、近いヒトだと思う。

理想には怪我をしながらでも、自分の足で近づいていくしかない。

それをやり抜いた前"アーティスト"の言葉が詰まった本だ。

 

理想を持つことは、痛々しい自分と向き合うこと。 

それでも、やはり、理想は持ちたいと思う。

【映画】光(監督・脚本 河瀬直美)

 

エンドロールが終わるまで、誰も席を立とうとしなかった。

映画「光」(監督・脚本 河瀬直美)の余韻は、

映画が終わってもなかなか消えていかなかった。

 

音声ガイドの女性と視力の失いつつあるカメラマンのラブストーリー、

という内容の紹介文のこの映画。

ラブストーリーにして欲しくなかったというのが私の感想だ。

ラブストーリーというだけで映画を見る前・映画を見た後も、

トーリーを理解した気がしてしまう。

「愛」ていう無敵最強な武器で、一気にこの話の深みも片付けられてしまう気がする。

 

疾うにないものを、まるであるかのように振る舞い続ける。

崩れ始めた時には想像力で、狂いで「現実」を構成しなすことができていたかもしれない。

でも崩れきってしまったら、受け入れて真っ暗な時をくぐり抜けてその先の光を見せられて、ただ歩くんだ。

齢を重ねた人にそう言われた気がした。

 

素敵な映画だった。何よりも美しかった。

「部屋に差し込む夕日、夕日を部屋に拡散させるプリズム。」

音声ガイドが伝えるのはここまで。

目が見えなくても、プリズムの光を感じることはできる。

光を感じるからこそ、美しいと人は思う。

言葉に置き換えられることは多くない、と思う。

 

映画を観る意味・絵を書く意味・写真を撮る意味は、

そこにあるのだろうか。

 

 

【習い事】初めての絵画教室(第二回目)

 

絵画教室で全4回の油絵教室を体験中。

全4回のうち、1回目は下絵を書くところまで、2,3回目は白と黒を入れ、白黒写真のような絵にする。そして4回目は白と黒以外の色を入れて作品完成する、というスケジュール。

 

【体験1回目】

左奥に置かれているガラス瓶などをモチーフに鉛筆で描いた下絵

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【体験2回目】

下絵に白と黒を入れている途中。

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絵画教室の先生には、

「白は筆使いで、

黒は白と混ぜ合わせることで、

濃淡を表してください。」

と言われた。

筆の使い方は、重ねて塗る方法と少し浮かしながらこする感じで塗る方法の二つだった。まずは、物自体が白のものと、丸い飾りに映り込む蛍光灯などの強い光を描き込んだ。

ラベルの白、机の白、物自体は二つとも同じ白だが、机には使い込んだ後がある。一方、ラベルにはあまり傷や汚れがない、印刷されたばかりのままの白。ラベルはつるんとした表情にするために、筆をただ横に流した。机は部分部分で若干変わる色にしたくて、筆先だけでスタンプするような描き方にした。

 

当たり前のように存在しているものを、改めて観察し直すことはとても面白い。言葉にしなくとも視覚だけで色んな情報を認識していることを改めて知る。